TOP
■≪携帯小説はじめました≫
ここをクリック!
■【Blog Pet グループ〔創作小説はいかが?〕お題小説】
雨→ あまやどり
雪→ 雪音
■【Offbeatscore】
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75
■【冷たい炎と月鏡】
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49new!
■【ルカ】
00〜序章
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
11 12
ここをクリック!
■【Blog Pet グループ〔創作小説はいかが?〕お題小説】
雨→ あまやどり
雪→ 雪音
■【Offbeatscore】
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49 50
51 52 53 54 55 56 57 58 59 60
61 62 63 64 65 66 67 68 69 70
71 72 73 74 75
※【冷たい炎と月鏡】の外伝です。
■【冷たい炎と月鏡】
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
31 32 33 34 35 36 37 38 39 40
41 42 43 44 45 46 47 48 49new!
■【ルカ】
00〜序章
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10
11 12
※『ルカ』は吸血鬼ものですので、吸血鬼が苦手な方、
嫌いな方はご遠慮ください。
『ルカ』は現在休止中です。
「春休みに入ったら、勇気は学校へ潜入だろ。俺は勉強…うぅん、つまらない」
「そういう問題じゃないでしょ」
都雅が苦笑して俺にクッションを軽く投げてきた。
「そんなに、つまらないなら楽しいことしようか?」
「楽しいこと!?何だそれ!」
俺がわくわくしてクッションを投げ返すと、すぐに都雅も投げ返してきて、にっこりと悪魔の微笑み。
「学校の勉強」
俺はクッションを抱きしめたままベッドへと倒れこんだ。
「勉強が、楽しいことかよ」
「楽しいでしょ。問題解けると」
なるほど、頭の良いやつはこうしてできるわけだ。
俺がベッドの上で唸っていると、勇気が隣で小さく笑った。
「どうした?」
「だって、要くん。犬みたいに唸るんだもん」
「俺は昔から勉強は嫌いなんだよ」
「昔からっていつから?」
「え…」
俺は思い起こせる昔を、思い出そうと記憶をたどったが出てこなかった。出てこないどころか、ひとつも何も思い出せない。
「……あれ? これって記憶喪失?」
「え? だって以前20代だって言ってなかった?」
「おうよ」
「20何歳?」
「………」
確か後半だった…はず。と思ったがそれも確かではなかった。名前とあやふやな年齢しか覚えていないのだ。
「この町に来たことがないのは確かなはずだけど、実際何処に住んでたかは覚えてない…」
俺がそういうと、都雅の目が細められた。
「それは、コレクターに記憶を奪われたのかもしれないね」
「……、記憶をコレクションするって言ってたもんね」
おいおい、それじゃぁ俺の記憶は戻らないのかよ。
がっくりと肩を落としていると、めずらしく勇気が声を張り上げた。
「でもさ!取り返せばいいんでしょう? 身体も記憶も取り戻そうよ!ね!」
「……おう!」
俺は起き上がって、勇気の頭に手を載せて髪の毛をグシャグシャとかきまわした。
つづく
「キーンという音ですか?」
勇気が確信に似た瞳でラゴ様を見つめる。
「そう、それに近い。…聞こえるのだね?」
勇気は頷いた。
「小さい頃から、聞こえてました。病院に行っても原因不明で、直らなかったんです。ただ、聞こえるのは本当に小さな音で、日常生活にはそんなに支障がなかったし、時々だったので。そのままにしてましたけど」
俺は驚いて勇気の顔をしげしげと見つめてしまった。
「それは、魂と器どちらかの音だろうね。御互いに呼び合うように鳴るのだ」
「と、言う事は。この音が聞こえる時って、肉体から離れた魂があるときってことですか」
「そうだね。意外に器から気づかないうちに魂が抜けている人が多いのだ。夢を見ていると思っているだろうが」
まさに幽体離脱ってことか。
「さて、そろそろ私は帰るとしよう。青空はどうするね?」
「ええと…玉繭に報告する事もあるので、僕も帰ることにします。ほら行くよ大治郎」
「にゃ? 連絡の仕方を教えないのかい?」
青空はうっかりしていたらしく「あぁ!」と大きな声で言った後、声を出してしまった事に自分で驚いていた。
「すいません。ええと…これ。渡しておきます」
青空が俺にくれた物は、ホイッスルだった。銀メッキのやつ。
俺は思いっきり吹いてみた。
ピーッと音がするかと思いきや、何の音もしない。その代わりに大治郎が飛び上がった。
「そんなに吹かなくても聞こえてらぁ!」
「え?」
「それは大治郎を呼ぶ笛なんです。小さく吹いても聞こえますから」
「そうなんだ」
「ああ…びっくりした。今度は静かに吹いとくれよ」
大治郎は身体をブルルと震わせる。
「ごめんごめん」
都雅が俺の手からホイッスルを受け取って、じっと眺めた。
「犬笛とは違うんだね」
「そうですね。大治郎だけに聞こえる…と言うと大げさになるかもしれないですけど。他の動物達にも聞こえるのですが、自分を呼んでいる音では無いと分かるんです」
「へぇ」
三人でその笛を眺めていると、窓を開ける音がした。
「それでは失礼するよ」
ラゴ様が先に窓から出て行く。
まるで透明な屋根に乗っているかのように、空中に立っていた。
「情報が入り次第、こちらからも連絡しますね。それでは失礼します」
青空は以前、病院で見たように大治郎の尻尾に掴まった。
大治郎がふわりと浮くと同時に、青空の身体も一緒に浮き上がっていく。
窓から二人と一匹が上空に消えてゆくのを見ていた俺たちは、首が痛くなって見上げるのを止めた。
そして窓を閉めた途端に、俺は今頃思い出したのだった。
「あっ!」
「なっ…何?」
「文句言うの忘れてた」
学年のことをきちんと説明してくれなかった事を、言おうとしていたのを忘れていた。
「青空さんだって、忙しいんだよ。許してあげたら?」
勇気の言葉に俺は深いため息をついて、頷いた。
仕方ない。
今回だけは許そう。
つづく
「この糸は沢山の集合が縒(よ)られたものなので、その全てが切られない限り、糸が切られたことにはならないのです。一本だけでも繋がっていれば、生きている。切れた場合は魂に巻きついて次第に色をなくしていきます。三刀屋さんを見る限り、糸は巻きついていないので、まだ繋がっています。その繋がっている糸を伝って見つけられた者が、解してばらばらにしたのでしょう」
「解されて見えないのに、巻きついていないの分かるの?」
都雅がすかさず言うと、青空は都雅に向かって頷いた。
「糸は自分で縒る性質を持っています。解されても自分でもとに戻るはずなのですが、今回の場合は多分何かで一本一本を抑えているのでしょう」
「そこに、コレクターが関わってくるのだろうね。沢山のコレクターがその一本一本を掴まえているのではないかな?」
ラゴ様が自分の金色の髪を、まるで気の糸のように指でつまみ上げる。
「そうすると、細すぎて見えなくなります。譬(たと)えると蜘蛛の糸のような感じでしょうか」
俺たち三人は頷いた。
蜘蛛の糸と言われれば、何となく分かる。
「それじゃ、俺の魂についた気をこう…糸を手繰るようにしていけば、見つかるんじゃないのか?」
俺はラゴ様の髪を引っ張ってそう言った。いや、引っ張ったつもりだったけど、ラゴ様の頭は微動だにしなかった。
「あれ?」
ラゴ様は小さく笑う。
俺の指には何も挟まってはいなかった。
「あれれ…」
「そこに色々複雑な問題が絡んでくるのだよ」
「複雑な問題って?」
「まず解されてしまうと、殆どの者には見えないし。見えても止まっているわけではないので見失いやすい。さらに本人以外では触れられないものなのだ」
都雅が眉を寄せて首を傾げた。
「矛盾が発生してない? 本人しか触れられないのに、何故解されたりコレクターが押さえていられたりするの」
「たった一つだけ例外があるのだよ」
ラゴ様は右手の人差し指を俺たちに見せるように突き出した。
「例外?」
「そう。血だ」
「血…?」
「血って…俺の?」
「そうです。三刀屋さん本人の血で掴む事が出来るのです。ですが、我々は器を傷つける事は出来ません」
「ああ…それで人間と協力せざるを得ないってことなんだ…」
都雅が呟くと、青空は目を閉じながら頷いた。
「今回は人間も器を必要としているため、速やかに協定が結ばれたのでしょう」
「待ってください。本人は掴む事が出来るなら、要くんが自分で掴みながら探せるんじゃないですか?」
勇気がパッと明るい顔になって言ったが、ラゴ様も青空も、ついでに大治郎も首を横に振った。
「大事な事を忘れている。残念ながら、彼は糸が見えない」
「見えていないため、触れている事に気づかないのです」
二人の言葉に、俺と勇気はがっくりと肩を落とした。
「それじゃあさ。俺だと見つけられるかもしれないって言った理由は?」
「第六感…です」
「だいろっかん…? って何?」
「人間が感じる感覚、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚の五感があります。そのどれでもない。所謂(いわゆる)、勘というものです」
勘に頼れと?
半分呆れて、俺は口を開けっ放しだった。
「勘をバカにしてはいけない。多くの雑多な情報を排除すれば、自分の器が近くにあるかどうか分かるはずだ」
「雑多な情報…?」
「あの〜」
大治郎がラゴ様の腕の中で、遮(さえぎ)るように言ったので全員が大治郎に注目した。
「どうしたの? 大治郎」
「ひとつ。おもいついだんだけど」
「うん」
「そこの坊や使えないかなぁ?」
「坊や?」
大治郎の視線は勇気の方を向いていた。
「…ぼ、僕?」
「かなり耳が良いんだよね。もしかしたら…、聞こえるかもしれないよ」
ラゴ様と青空は顔を見合わせる。
「本当?」
「だってかなり騒がしかった上に、離れた場所で囁いたおいらの声を、聞き取ったくらいだからさ」
「何だと?」
「それは…可能性があるかもしれませんね」
「ちょっと、二人と一匹で話を進めないでくれないか」
俺が声をかけると、はっとしたようにこちらを向いた。
「何が聞こえるっていうのか説明してくれ」
「すいません…えっと」
「その説明は私がしよう。前に魂は音を奏でると言ったのを覚えているかな?」
「ああ、ええ。はい」
「そう。魂は音を奏でる。それはもちろん魂玉に入った時なのだが、それに共鳴するように、微弱ながら器も音を出しているのだよ。微かに聞こえるのだ。耳鳴りの音に近いがね」
「……は?」
「同じ音は一つとしてないといわれている。つまり、その音を聞き、覚えることができれば、見つける確立が高くなるというわけだね」
頭がグルグルしてきたぞ。
意味がわからねぇ。
48へつづく
「自宅待機しかない」
がっくり…。
俺は立ち上がると「ぐあーっ」と叫びながら、都雅のベッドにダイブした。
大治郎がつぶされないようにとピョンと飛んだ。
身体が何度か跳ねた後、俺は身体から力を抜く。
「俺にすることは無いのかよ」
「そうだ。校舎は勇気に行ってもらおう。先輩から変わった事なんかを教えてもらえるだろう?」
都雅がそう言ったので、俺は身体を起こした。
「んで、その間。俺達は何してるんだよ?」
都雅はにこっと笑う。
「勉強」
「……は?」
「べ・ん・きょ・う」
「いや…スタッカートつけて言わなくても分かるけど…えっ…。学校の?」
「違う違う。コレクターや魂の事について…だよ。勇気には後で説明する事にして、分担した方が良いと思う。本当はオレも別な事をした方が良いとは思うけど、要をほっとくと何をするか分からないし」
まぁ…短時間で俺のことをよくわかっていらっしゃる。
「二人で憶えたほうが、勇気に補足しやすいだろ?」
「確かに」
俺が頷くと、都雅は勇気の方を振り向く。
「一人で校舎に行く事になるけど。構わない?」
「……う、うん。大丈夫だよ」
右手の拳をギュッと握って、勇気は二度頷いた。
「そうしてもらえると助かるなぁ。おいらと同じような仕事をしている仲間が、帰って来ないんじゃ迂闊に入れないって青空が言うからさ」
「ぼ、僕が入っても大丈夫だよね」
「おっ、心配かい? やっぱりここはおいらの出番かな」
ベッドを俺に占領されて、床に降りていた大治郎がそう言うと、青空が大治郎の首の後ろ辺りを持ち上げる。
「大治郎。だめだって言ったろう?」
「えー。おいらは行ってみたいんだけど…なぁ」
上目遣いで青空に言った大治郎は、厳しい顔の青空を見て視線を逸らした。
「青空は怒ると怖いから…やめる」
俺は思わず吹き出してしまい、それにつられたかの様に都雅や勇気も笑った。
「大治郎はすぐに危険な場所に行きたがるんだから」
「義侠心だよ義侠心」
「違うでしょう。そういうのを無謀って言うんだよ」
青空は大治郎の顔を自分の方に向けると、怖い顔をして見せた。
「……分かってるよ…分かってるってば。ちょっと…言ってみただけじゃないかぁ」
「青空。もうそれくらいで許してあげなさい」
そう言ってラゴ様は大治郎を抱き上げた。
仕方なさそうに手を離した青空は、ため息をつく。
「へへへ…ありがとうございます、ラゴ様」
「大治郎も少しは自重しなさい」
ラゴ様の膝の上でしゅーんとうつむいた大治郎は、猫らしくニャーンと鳴いた。
「他に質問はありますか?」
青空が俺たちの顔をそれぞれ見ながら言うと、勇気が学校でもないのに小さく手を上げた。
「あの、『気』のこと教えてもらえませんか」
「そうだった。俺もそれ聞きたい」
「分かりました」
『気』が身体と魂をつなぐ糸のようなものだと言う事は憶えている。でも、見えなくなったのに俺が死んでいない理由が分からない。
「我々が器と呼ぶ人間の肉体と魂とを繋ぐ細い金色の糸のことです。その糸が切れた時、初めて死んだということになります。この糸は細いとはいえ簡単に切れるものではありません。ただし、寿命が来た時と器が機能を停止した場合は自然に切れます。切れると言うか、離れるのです。器と糸がまるで同じ磁極になったかのように弾かれて離れます」
「寿命がきていない時の糸はハサミを使えば切れる…などという代物ではないのだよ」
ラゴ様は左手の人差し指と中指をハサミに見立てて、動かして見せた。
「切られていないのに、見えないとなると…多分、解されてしまったのだと思います。」
「ほぐされた?」
47へつづく
ラゴ様は短い溜息をつくと、話し始めた。
「気配を消すと言っただろう? 気配を消してしまう前、一瞬だけ眩い光を放つ。いわゆる目くらましというものだろうね。私が魂玉に入れられたのは、あの時兄妹に話しかけられて違う方向を見ていたためだった。そうでなければ二人とも目がくらんで逃がしていただろうね」
今回はそれで逃げられたということなんだろうか。
「しかし…今回で他のコレクターにも知れ渡る。次は無いだろう」
ラゴ様は本当に残念そうにため息をついた。
しばらくの沈黙のあと、青空が目頭を押さえながら口を開いた。
「いくら玉繭に属さないコレクターでも、人間とコンタクトを取ることはしてはならないと分かっているはずなのに…」
「え…僕たちは…いいんですか?」
「三刀屋さん達の場合は特別なんです。我々は普通、姿を隠していなければならないんですよ」
確かにコンタクトを取りすぎて、この世とあの世がくっつくと面倒な事になりそうだ。
青空は小さくため息をついて顔を上げた。
「コレクターは魂を無理やり取り出す事ができないので、人間に魂を取り出してもらう代わりに、その器は人間に渡す…と協定を結んだのですね…きっと」
そいつらにとって、俺の魂も身体も物同然ということか。
「ずいぶんな扱いだな」
俺の目が怒りに燃えているのを見て、ラゴ様は小さく笑った。
「尊厳を主張するかね? だが、そのためには身体を見つけなくてはならない」
「このままでは、気の糸が切られてしまうのではないかと、心配です」
青空の吐息が震える。
「まぁ…それは大丈夫だから安心しなさい。青空」
ラゴ様は何でもない…といった風にヒラヒラと手を振った。
「どうして大丈夫だって、分かるんですか?」
都雅がこれまた深刻そうな雰囲気もなく、茶のみ話のように気楽に尋ねる。
「ふむ。そなたも変わった魂だの。どうだ? 死した後は私のものにならないかね?」
「ラゴ様…!」
青空は勢いよく立ち上がった。
「分かっておる、青空。だが、急いては事を仕損じると言うではないか。落ち着きなさい」
右手で顔を覆って、青空は落ちるように座る。
ちょっとだけ青空に同情するよ。俺的にはラゴ様って上司に持ちたくないタイプだ。
「あの砂時計の魂玉が全て落ちてしまうまでは切れないだろうから大丈夫だ。そういうところだけはきっちりと守るのがコレクターだからね」
根本的なルールを守れよ…と言いたい。
「生贄の場合はどうですか? 肉体が死んでしまったら切れてしまうのでは?」
都雅が小首を傾げて言った。
「生贄にしろ何にしろ、あの砂時計の時間は守られる。だが、生贄が一番厄介だろうね。新器と依り代ならば、魂は違うが身体は一応生きている。生贄はそうはいかない……が。私は生贄ではないと推測する」
全員がラゴ様に注目する。
「どういうことですか?」
「何に捧げるか…によるが、少なくとも私の知っている生贄の儀式というのは器と魂両方を捧げるものだからだ。今回の場合、魂は離脱させられている。もちろんこの考えは推測であって百パーセントではない。それゆえ…言うのをためらっていたのだが…」
ふと横を見ると、勇気が一生懸命理解しようとしている様に見えた。
「勇気。オーバーヒートしないように気をつけろよ」
「え? あ、うん。えっと…質問…いいですか?」
ラゴ様と青空の顔を交互に見ながら勇気がそう言うと、二人は頷いた。
「依り代にするなら、盗むまでしなくても良いような気がするんです。もちろん、何らかの危険があるのかもしれないですけど…でも、変な言い方すると、誤魔化して説得すれば、盗まなくても済むでしょう?」
「一理ある…と言いたいところだが、それならば三つとも誤魔化して説得できる。そもそも忘れていないかね? 本来ならば、すでに魂玉に入っているはずなのだ。そうすれば、器は空になる。それを持っていった…と言う事だ」
「ああ…そうか…」
勇気はため息まじりに言って、目を閉じた。
「身体を見つける事も重要だが、見つけた時にどうやって奪還するか…という課題も残っている。あちらも、それを阻止しようとするだろうからね」
「コレクターが複数いることを考えると…」
青空は深くため息をついた。
ラゴ様みたいな奴が複数いると思うと…俺もため息が出る。
「そなたがあの校舎へ通うようになるまでに、何か策を考えなくては」
ラゴ様が楽しそうに言う。
効果音を付けると…そう「ウキウキ」といった感じだ(効果音じゃないか…?)。
「それまでに、何か俺がやっておく事ってないのか?」
「特にありません。新学期になるまでは、あの校舎に近付かないで下さいね」
「ダメなの?」
勇気がそう聞くと、青空は小さく微笑んだ。
「八潮路さんと蔦沢さんは結構です。そうですね…春休みの間に偵察に行っていただけますか?」
「いいよ」
「僕、がんばります」
二人は頷く。
「ちょっ。えっ。俺は?」
ラゴ様がフフフと笑って俺の両肩に手を乗せた。何か意味ありげ。何か重要な事でも?
46へつづく


