オリジナルの小説を書いてます。 【Offbeatscore】連載中です。
「ええと、確か…雪見通りには行った事があります。でも、お店とかはあまりわからないので、教えていただけますか?」
「OK、分かったよ」
「なぁ、芹。車、借りてくれば良かったな」
「うん、そうだね。僕はバイクしか持ってないし」
「あ、いえ。良いんです。まずは歩ける範囲で憶えないと」
「まぁ、そうだね。それじゃ、行こうか」
「はい」
 雪見通りを歩いて行く。
 お店の名前とか、何のお店とか教えてくれるのは芹さん。
 先生は昔は、ここに違うお店があった…なんて補足してくれる。
「あのな、伊織。それは今必要ないとおもうけど」
「ん? そうか?」
「……やっぱり僕が付いて来て良かった。伊織に案内させると、大変だったかも」
 何て言うので、笑ってしまった。
 先生と芹さんって良いコンビだと思わない?
 まぁ、からかうのは少し減らして欲しいけど。
「イノセントに行こうか」
「イノセント…?」
「うん、この辺りでは一番大きなお店だね。デパートっていうやつ? まぁデパートほど大きくもないんだけどね」
「はぁ」
「獅狩ちゃんは、引っ越してきたんだっけね」
「はい。ずっと南の方からです」
「そうか、それじゃ冬は大変かな。住んでた所は都会?」
「ええ、一応」
「それじゃ、この辺は田舎に見えるでしょ」
 芹さんはにっこりと微笑んで言った。
 何という質問。
「都会に居なくても、ここは田舎に見えるだろう。田舎で何が悪い」
「あのねぇ、伊織。誰も田舎が悪いって言ってないって。田舎に見えるでしょ?って聞いただけ」
 そうして二人は私を見る。 
 明らかに答えを待っている。
「あの、家からお店までの距離が長いのにはびっくりしましたけど、でも自然が沢山で、引っ越して来れてうれしいんです」
「自然か…」
「それに馬! こんなに近くで見れると思いませんでしたよ」
「そうだね。珍しくない光景だから」
 先生と芹さんはうんうんと頷いて見せた。


39へつづく
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