「まだ三月だから緑って言っても少ないけどね、もう少ししたら花も咲いてくるよ」
「はい」
「そうだ、御花見一緒に行こうよ」
「御花見…ですか?」
「そう、大学へ行く途中に桜の並木道があるんだ。ねぇ、伊織」
「ああ、都雅も連れて行こうか。楽しそうだ」
名物なんだよ、と芹さんは嬉しそうに呟く。
早く見てみたいなと私はそう思った。
「知りたい店とかあるか?」
先生がイノセントに入ってすぐにそう言ったので、やっぱりCDショップと本屋さんは外せないですねと言った。
「それは二階だな。行ってみるか」
エスカレーターで二階へ上がって、お店の場所を教えてくれる。
「獅狩ちゃんは誰が好き?」
CDショップで芹さんにそう聞かれて、私は一枚のアルバムを見せる。
「この人です」
「わぉ、僕も好きだよ。全部持ってる」
「えっ、本当ですか!? 私、マキシの一枚目持っていないんです」
「それじゃ、貸してあげようか?」
先生は私達の後ろで、黙って立っている。
振り返ると、先生の後ろの通路を歩いてくるエプロンの人と目があった。
「こらこら、ここで貸すだの借りるだのって話はしないでくれよ」
その声で振り返った先生と芹さんは目を丸くしていた。
「あれ、マリちゃん」
「……俺は、小手毬だ!」
どうやら知り合いの人らしい。
先生はその人より頭一つ分高かった。
40へつづく
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「はい」
「そうだ、御花見一緒に行こうよ」
「御花見…ですか?」
「そう、大学へ行く途中に桜の並木道があるんだ。ねぇ、伊織」
「ああ、都雅も連れて行こうか。楽しそうだ」
名物なんだよ、と芹さんは嬉しそうに呟く。
早く見てみたいなと私はそう思った。
「知りたい店とかあるか?」
先生がイノセントに入ってすぐにそう言ったので、やっぱりCDショップと本屋さんは外せないですねと言った。
「それは二階だな。行ってみるか」
エスカレーターで二階へ上がって、お店の場所を教えてくれる。
「獅狩ちゃんは誰が好き?」
CDショップで芹さんにそう聞かれて、私は一枚のアルバムを見せる。
「この人です」
「わぉ、僕も好きだよ。全部持ってる」
「えっ、本当ですか!? 私、マキシの一枚目持っていないんです」
「それじゃ、貸してあげようか?」
先生は私達の後ろで、黙って立っている。
振り返ると、先生の後ろの通路を歩いてくるエプロンの人と目があった。
「こらこら、ここで貸すだの借りるだのって話はしないでくれよ」
その声で振り返った先生と芹さんは目を丸くしていた。
「あれ、マリちゃん」
「……俺は、小手毬だ!」
どうやら知り合いの人らしい。
先生はその人より頭一つ分高かった。
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