「マリちゃんの方が呼びやすいじゃない? 紹介するよ、獅狩ちゃん。こっちは高等部の同級生で小手毬 唯人」
「こでまり…ゆいと…さん? 始めまして、九網 獅狩です」
「こんにちは。小手毬です。一枚目、あるよ」
突然言われたので、一瞬何の事か分からなかった。
「……え?」
「マキシシングルのことでしょう。主語が抜けてるよマリちゃん」
「だーかーらー! 小手毬だっつーの」
「んー。それじゃ、唯ちゃん」
「……お前絶対わざとだろう。伊武も、よくこんなやつと居られるな」
「……腐れ縁ってやつでな」
「ふん。それより一枚目、欲しくないのか」
だいぶ高圧的な言い方なんですけど。
「おいおい、そんな言い方ないんじゃないか?」
先生が少し眉を寄せて言ったので、何だか空気が変わったようだった。
「あ、あの先生」
「はいはい、二人とも落ち着いてー」
小手毬さんと先生は一緒に芹さんを見て叫んだ。
「お前のせいだろうが!」
綺麗にハモりました。
「あんまり騒ぐと、お店に迷惑でしょう。ごめんね、獅狩ちゃん。いつもはこんなやつじゃないんだ。CD買う?」
「ええと、今日はお金をそんなに持ってきていないので…」
「……それじゃ、取っとく」
小手毬さんがぼそっとそっぽを向いて言った。
少し反省している様子だったので、芹さんの言ったことを信じてみることにした。
さっきはちょっと腹立たしかったけど。
41へつづく


