オリジナルの小説を書いてます。 【Offbeatscore】連載中です。

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「あ、ちょっと待って。ねぇ、獅狩ちゃん。お昼、驕ってあげるよ。それなら買えるんじゃない?」
「え、それは…そうですけど。でも、驕ってもらうのは…」
「良いんだ。僕と伊織とで驕るから。良いだろう? 伊織」
「ああ。もちろん」
「はい、それじゃ。買うって事で、CDを出したまえ小手毬くん」
 芹さんが冗談っぽくそう言ったので、小手毬さんはやれやれと肩をすくめた。
 カウンターに戻った小手毬さんは後ろにあった白い棚からCDを取り出す。
「……ポイントカードはありますか」
「持っていません」
「………そういえば、見たことない顔だけど、どういう知り合いだ?」
 小手毬さんは先生と芹さんを交互に見た後、私の顔を見つめる。
「えっと」
 私は何となく芹さんを振り返った。
「僕と伊織の知り合いの子供の友達」
「…なんだそりゃ…。まぁいい。カード作るか?」
「こらこら、獅狩ちゃんはお客様なんだから、もっと丁寧に言おうね」
 芹さんがそう言うと、小手毬さんは「はいはい」と返事をして少し厚手の小さい紙を二つ折りしたものを取り出す。そして私にみせながら説明をしてくれた。
「ポイントカードは、このカードいっぱいにスタンプがたまると千円割引となるもので、ハイテクじゃないところは多めにみてくれよな」
「…はぁ…」
「どうする?」
「どうするって……ええと、スタンプ押してください」
「OK。それじゃ……おまけで二つ押しておいてやるよ」
 ポンポンと軽く音を立てながら、その紙に二つスタンプを押してくれる。
「有難う御座います」
「また、買ってくれよな」
「はい、予約しに来ますね」
「ああ。待ってるよ」
 小手毬さんはそう言った後に、眩しいくらいの笑顔を見せた。
「こういう顔をいつも見せろって、いつも言っているんだけどね」
 芹さんが言ったとたんに、さっきの不機嫌そうな顔に戻ってしまう。
 もったいない。
 今、物凄いオーラを出したような、そんな感じだったのに。
 マンガで言うところの、背中に薔薇を背負うっていうの?
 あんな感じの笑顔だった。
「うるさい。お前らに見せるために笑うんじゃないっつーの」


42へつづく
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