「……な、な、何でしょう?」
「獅狩ちゃんだよ!」
「…はぁ…私は獅狩ですが」
「そうじゃなくて。獅狩ちゃんと友達になったからじゃないの?!」
「…え?」
「……あいつの友達か」
小手毬さんは眉を寄せて呟いた。小さい声だったけど、何だかため息まじりに言ったようだった。
「小手毬さんも都雅のこと知っているんですね」
「………。この辺りで、あいつを知らない奴はいないだろうさ」
「あぁ! ミルクティー色の髪って目立ちますよね」
いや…と小手毬さんは首を横に振る。
「そういう意味じゃないが…」
その次の言葉は、お客さんが来たために聞くことはできなかった。
「獅狩ちゃん、行こうか」
「あ、はい」
「マリちゃん、がんばってね」
お客さんの前だとさすがに叫ぶ事はできなかったらしく、冷たい視線が芹さんを睨みつけていた。
芹さんって、私や都雅以上に人をからかう事が好きな人みたいね。
CDショップを出て、私達は食事をするお店のエリアに移動して、一つのお店に入った。
四人掛けのテーブルの席で芹さんと先生が並んで座り、私は先生の向かい側に腰掛けた。
「あの、さっきの話なんですけど」
私が座ってすぐに言うと、芹さんはメニューを手に、うん?と首を傾げる。
「私が友達になったからだっていう話です」
「ああ。うん。多分そうじゃないかと」
「でも、二日前ですよ? 友達になったの」
「え、そうなの?」
私の言葉に、芹さんどころか先生も驚いていた。
44へつづく


