オリジナルの小説を書いてます。 【Offbeatscore】連載中です。

第一話から読みたい方はこちらから
もしくはTOPメニューへどうぞ


食事を終えると近くの映画館を教えてもらった。あ、もちろん驕ってもらったお礼はきちんとしてからだけど。
「有名な映画ですら来ない時あるけどね。ま、唯一の映画館だから」
 そう言って笑った。
 確かに入り口はしまっているし、何の看板も立っていない。
 その後はまた今度ということになった。
 車で行かないと、かなり歩く事になるみたい。
「今度は都雅も一緒に連れて行こう」
「はい、とても楽しみです」
 私がそう言うと、芹さんと先生はふぅとため息をついた。
「獅狩ちゃんって、良い子だね」
「はぁ…?」
「いやいや、いいんだ。うん。比べる相手を間違えてるだけだと思うから」
「はぁ」
 芹さんがそう呟いた時、先生が私の耳元で囁いた。
「あいつの妹が、何でも芹に反抗するらしいんだ」
 なるほど。
「こらこら、近くだから聞こえてるって。……。獅狩ちゃんの爪の垢でも煎じて飲ませてやりたいくらいだよ、本当。同い年なのに、何だろうこの違いは」
「……年齢と性格は関係ないのでは?」
「……獅狩ちゃんって真面目だね〜」
 二人に苦笑されてしまった。
 だって、その関係性は冗談でも正しておくべきじゃない?
 同い年の子が、みんな同じ性格だったら怖いし、そんな世界に住みたくないわ。私。
「さて、それじゃ家まで送るよ」
「あ、でも」
「こればっかりは何を言われても、家まで送るぞ。都雅に言われているだけじゃない。最近は何かと物騒だからな」
「そうそう。自分は大丈夫なんて思ってちゃだめだよ」
 芹さんがそう言ってにっこりと笑ったので、思わず言葉を返してしまった。
「そういう芹さんは、自分は大丈夫なんて思ってません?」
 その時の芹さんの顔はとても、いたずらっ子がいたずらを見破られた時のような。でも見破られて嬉しいって顔だった。
「やっぱり獅狩ちゃんって鋭いね。ピンポーン大当たり! 実は僕は大丈夫って思ってたりする…」
 何だろう。指摘して欲しいのかしら。
 変わった人ねぇ。
 隣で先生は深いため息をついていた。
「こいつの場合は、大丈夫って思っていても不思議じゃないとは思うが」
「え?どうしてですか」
「説明すると長くなるから、簡単に説明させてもらう。はっきり言って、こいつは不死身に近い」
 その不死身という事について、のちに分かる事になるのだけれど。
 その時の私と言えば、ふじみってどう書くんだったっけ? なんてのんびりと考えているだけだった。

48へつづく
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する