「例えば? ええと、例えば…」
「背中に張り紙でも張る?」
「ああ、それも…って! そんな事するわけ無いでしょ!?」
「あはは、ノリツッコミ」
都雅はそう言って笑う。
「何よもう……」
「別に彼女と間違われたら困る…とか思っているからではないんだよ。獅狩」
「じゃあ、どうして?」
「以前に言ったでしょ? 俺と関わるとろくな事ないよって」
「………」
ええと…実は私。
忘れてました。
……。
…………………・
あはは。
って笑って誤魔化したりして。
「そうだった…ね」
「うん。それでも友達になってくれたのは、嬉しいけど。君に危害が及ぶと困るんだ」
「そんなに大変なの?」
「芹さんが言っていた話によると、一部の奴が君のことかぎつけたっていう噂を聞いたんだって」
「ふうん」
「……ふうんって…獅狩の話だからね」
「うん」
「怖くないの?」
「別に」
実感がないとかじゃなくて。
本当に怖くなかった。
「……ナイフとか持ってるよ?あいつら」
「うん」
「殴られたりする…かもしれない」
「うん。かもね」
「………………。どうして怖くないの?」
都雅が不思議そうに私の顔を見上げる。
「どうしてって…。ええと。都雅、前に言っていたじゃない? 友達になったら絶対に守るって」
「………ああ。うん」
「だから、大丈夫」
「……俺は神様じゃないからね。君が何処に居て、何をしているかなんて分からないんだよ。それでも君は……獅狩は。怖くないと言えるの? 俺も、それから先生達も駆けつけて行けないかもしれない。それでも?」
「そんなに私に怖がって欲しいわけ?」
「いや、そうじゃないけれど…」
ふいっと視線をそらして、都雅はうつむいた。
50へつづく


