私は学校へ自転車で通っているのだけれど。
帰宅途中で、その自転車に横から体当たりされてしまった。
短いとはいえ、坂道をゴロンゴロンと転がってしまい、あちこちが痛かった。
「いったーい」
ゆっくりと身体を起こして、顔をあげると同じ学校の男子生徒。
もう一人はたぶん、都雅と同じ学校の制服。
なるほど。
と、私は妙に冷静だった。
「お前が、九網しかるか?」
尋ねる前に体当たりするかね? 普通。
私が無言でいると、私の胸倉をつかんで立ち上がらせた。
「聞いてんだぞ、答えろよ」
「……あーあ。制服が台無し…」
あちこち汚れていたし、袖の一部が破れていた。
せっかくのセーラー服なのに。
靴が片方脱げて、横倒しになっている自転車の近くにあるのが見えた。
靴下まで汚しちゃったじゃないの。
「クリーニング代、請求するわ」
「何だと!?」
「さらに、壊れた自転車の修理費……いや、新しい自転車の代金ね。靴下は…まぁ、まけておくけど」
「きさま!!」
ポケットのブザーを思い出す。
ううん。でも、辺りに人はなし。
どうしようかな。
そう思っていると、私の目の前に光るものが出された。
55へつづく


