足を洗い終わったところで、さっきの女の子がタオルを渡してくれた。
「ありがとう」
「靴下が乾くまで、これを履いていて」
そういって出してくれたのはふかふかのスリッパ。
私が片足を洗っている間に、芹さんと先生は違う部屋へ行ってしまったらしい。
「先生に、獅狩の家に電話をかけてもらったから、心配しないで」
「え!?」
「大丈夫、あいつらの事は言ってないから」
「ああ、良かった〜。変な心配かけたくないのよ」
「……うん」
小さくため息をついた都雅の後ろに立っていた女の子が、不思議そうに口を開く。
「しかる? っていうお名前ですか?」
「あ、はい。ごめんなさい、自己紹介遅れました。九網獅狩といいます。九つの網にライオンの獅子の前の方の漢字と、狩人の狩で獅狩と読むんです」
「へぇぇ〜」
最初の時のように目を丸くして驚いた後、ちらっと都雅を見た女の子は目を瞬かせた。
「えっと、私は時津風 柚。よろしくね。二階に行きましょうか」
「え?」
「制服、クリーニングに出さないといけないでしょう?」
61へつづく


