オリジナルの小説を書いてます。 【Offbeatscore】連載中です。

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「ん?どうした?」
 慌てて起き上がり先生の後ろに隠れると、芹さんが呆れたように近付いてきた。
「ごめんね、獅狩ちゃん。嫌な予感したんだけど…」
 まだ倒れたままの柚さんに芹さんが手を差し出すと、その手を取って立ち上がった。
「いいところだったのに」
 柚さんはそう言って、頬を膨らませる。
「あのね〜、柚。獅狩ちゃんは人形じゃないんだから」
「あら、そんなこと分かってます。でも、ほら。その洋服、とてもお似合いでしょう?」
「…………それは……そうだけど」
「こんなに似合っている方、そうそういないと思ったら、他の服も着せてみたくて」
「だから人形じゃないって」
 そんな話をしているところに、都雅が階段を上ってきて、私を見るなりこう言った。
「…ピアノの発表会みたい」
 沈黙の後、私も先生も笑い出してしまった。
 芹さんは苦笑いで、柚さんは再び膨れてしまう。
「とにかく、ほら。制服クリーニングに出してくるから」
「あ、そうでしたわね」
 柚さんは私の制服を芹さんに渡した後、先生の後ろに隠れたままの私を見て、ニィ〜と笑った。
 慌てて顔を隠そうとした時、横から胸に頭をぶつけるくらい強い力で都雅に引っ張られた。
「獅狩は、こっち」
 私の頭が胸にぶつかった事には何も言わず、都雅は私を後ろへと庇う形にする。
 その様子を見ていた芹さんは、しばらく黙って都雅を見つめていたけれど、小さくため息をついた後オリーブ先生に軽く手を上げて、制服をクリーニングに出すために階段を下りて行った。


64へつづく
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