「……柚さんはどこの学校ですか?」
「あら、柚さん…何て、他人行儀な。柚で結構。私が通っている学園は、八潮路さんが通っている学園の姉妹校で、さらに上の丘に建っている。私立、手弱女学園よ」
「た、たおや…?」
「た・お・や・めです。手足の手に弱い女で手弱女。雅な言葉で優美な女性という意味なんですって」
「優美な女性……ってことは女学校ですか」
「あら、古い物言い。ええまあ。女子校です」
「へぇ…」
確かに私の学校の制服より可愛いけど。私はやっぱりセーラー服が好きだし。
現実として我が家には私立に通えるほどの経済力はない。
「と・こ・ろ・で! 獅狩さんと八潮路さんってどんな関係!?」
「どんな関係って……友達ですけど」
「友達? そんなバカな」
「バカなって言われても…友達は友達」
「八潮路さんにお友達がいたなんて初めて聞きました」
それは、最近友達になったばかりだから…と言おうとすると、柚さんは私の顔をじーーーーーっと見つめてきた。
「……。そうね、分類するとしたら貴女は可愛い方に入ると思うわ。でも、八潮路さんの好みのタイプとは思えないの」
いや、だから友達だってば。
「八潮路さんのタイプはこう…もっと大人と言うか、色気のある女性ですし」
悪かったわね、色気がなくて。
「ちょっと待って。どうして柚さんが都雅の好み知ってるの?」
「柚と呼んでくださいね。どうしてかと聞かれたら。以前、八潮路さんと御付き合いをしていた方を知っているからです」
「家庭教師の?」
「あら、ご存知?」
「うーん。家庭教師の人と付き合ってたっていうのは聞いたけど」
「聞きたいですか?」
「え………っと。……うう。……」
聞きたくないと言えば嘘になる。
中学生の男の子が大学生の女の人と付きあってたって聞いたら、やっぱり気になるわよね。
66へつづく


