「なんたって、イトコだからね」
「え! イトコ?」
芹さんと柚は頷いた。
「つまり、私とお兄様は八潮路さんのハトコにあたると言うわけです」
「へぇ〜〜〜」
「会ってみれば、分かるとは思うけど。中身は似てても、外見は正反対というか何と言うか……」
芹さんは腕を組みながら眉を寄せてそう言った。
「はぁ?」
その時、ようやく都雅が小さく笑った。
「あ、都雅も知ってるんだよね。どういう人?」
「百聞は一見にしかず。さぁ、一階に行こう」
「う、うん」
都雅と一緒に階段を下りると、途中から女の人の声が聞こえてきた。
かなり…威勢が良かった。
「ほら、何してんだい。そっちじゃないよ!」
キッチンを覗くと、オリーブ先生がアタフタしながら手伝っている様子が見えた。
「……あの人が、桜子さん?」
どうみても二人の母親には見えないくらい若く見える。
真鶴さんよりは年上かもしれないけど、それでも若く見えた。
髪はショートヘアで、スラリとしている。何だかカフェのウェイターのような格好をしていた。
キッチンの前に来ると、桜子さんと目が合ってしまった。
「あれ、新顔だね。柚のダチかい?」
「ええ、桜子さん。ご紹介しますわ。九網獅狩さんです」
「はっ初めまして。九網獅狩です」
「おっ、元気がいいね〜。そういう子は大好きだよ」
にこっと笑ったので、ほっとしたのもつかの間。オリーブ先生をギラリと睨み、鍋つかみをポイっと投げた。
74へつづく


