驚いている勇気をほっておいて、都雅の方を向いて俺は笑って見せた。
「ってなわけで、都雅って呼んでもいいか?」
「ん、いいよ。それじゃ、オレも要って呼ばせてもらう。ところで、身体は大丈夫か? なんだったら負ぶってやろうか」
「いいや、大丈夫。教室まで案内してよ」
「わかった」
「あ、待ってよ。置いていかないでー!」
歩き出した俺たちの後を、慌てた様に鳶沢が追いかけてくる。
「ってなわけで、都雅って呼んでもいいか?」
「ん、いいよ。それじゃ、オレも要って呼ばせてもらう。ところで、身体は大丈夫か? なんだったら負ぶってやろうか」
「いいや、大丈夫。教室まで案内してよ」
「わかった」
「あ、待ってよ。置いていかないでー!」
歩き出した俺たちの後を、慌てた様に鳶沢が追いかけてくる。
「そういえば、鳶沢は俺のこと要って呼ぶんだな」
「あ、うん。ダメだったかな…以前からそう呼んでいたから」
「別にいいけど…俺は何て呼んでた?」
「勇気くんって呼んでくれてたけど」
勇気くん…ね。
「勇気でいいだろ」
「あ、うん。いいよ」
歩きながら、俺と都雅の丁度中間の、後ろを歩いている勇気の方を振り返った。
「何、遠慮して歩いてるんだ? 隣り来いよ」
「あ、えっと…あんまり横に並んで歩くのは…」
「狭い歩道じゃないんだから、いいだろう」
なぁ? と隣りにいる都雅に同意を求めると、都雅は小さく笑った。
「鳶沢は距離を測りかねてるんだろうさ」
「距離?」
勇気は慌てた様に、首を横に振り両手を大げさなくらいに左右に振る。
「ちっ違うよ…」
その慌てぶりに、俺は何となく納得した。
「あー、悪い。急に変わった俺に付いて行けないってことか。ま、仕方ないか」
「違うったら」
「勇気くんだって、もとの要と同じ様に優等生だったんだろう?」
そう俺が言うと、勇気は涙目になっていた。
「違うってば!」
勇気が泣き声混じりでそう言った時、俺の隣で都雅が再び小さく笑った。
「それ以上、苛めるのはやめなよ」
「苛めてないって」
「オレが言った距離ってのは、要とのじゃなくて、オレとの距離ってことだよ」
「都雅との?」
都雅の顔を見ると、深く頷いた。
「約二年間同じクラスだったけど、ほとんど喋ったことないし。小等部の時からアウトロー的なところがあったからね。ほら、触らぬ神に祟りなしっていうだろう? あいにくオレは神じゃないけど」
ふむふむ…と納得しつつ、最初の言葉に引っかかりをおぼえて、俺は首を傾げた。
「あ、うん。ダメだったかな…以前からそう呼んでいたから」
「別にいいけど…俺は何て呼んでた?」
「勇気くんって呼んでくれてたけど」
勇気くん…ね。
「勇気でいいだろ」
「あ、うん。いいよ」
歩きながら、俺と都雅の丁度中間の、後ろを歩いている勇気の方を振り返った。
「何、遠慮して歩いてるんだ? 隣り来いよ」
「あ、えっと…あんまり横に並んで歩くのは…」
「狭い歩道じゃないんだから、いいだろう」
なぁ? と隣りにいる都雅に同意を求めると、都雅は小さく笑った。
「鳶沢は距離を測りかねてるんだろうさ」
「距離?」
勇気は慌てた様に、首を横に振り両手を大げさなくらいに左右に振る。
「ちっ違うよ…」
その慌てぶりに、俺は何となく納得した。
「あー、悪い。急に変わった俺に付いて行けないってことか。ま、仕方ないか」
「違うったら」
「勇気くんだって、もとの要と同じ様に優等生だったんだろう?」
そう俺が言うと、勇気は涙目になっていた。
「違うってば!」
勇気が泣き声混じりでそう言った時、俺の隣で都雅が再び小さく笑った。
「それ以上、苛めるのはやめなよ」
「苛めてないって」
「オレが言った距離ってのは、要とのじゃなくて、オレとの距離ってことだよ」
「都雅との?」
都雅の顔を見ると、深く頷いた。
「約二年間同じクラスだったけど、ほとんど喋ったことないし。小等部の時からアウトロー的なところがあったからね。ほら、触らぬ神に祟りなしっていうだろう? あいにくオレは神じゃないけど」
ふむふむ…と納得しつつ、最初の言葉に引っかかりをおぼえて、俺は首を傾げた。
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